研究内容

結合交換型架橋を含むソフトマテリアル設計

 一般的な共有結合性架橋材料は、架橋により一定の強度は得られるものの、その結合の不可逆性から、再利用・再加工性は有してません。それに対し、近年、従来の共有結合の概念を覆す”動的な共有結合”という新たな結合種が注目を浴びています。動的共有結合の中でも、古典的な結合の解離・再会合を伴う結合様式(dissociative exchange)ではなく、「常結合性結合交換(associative exchange)」により架橋交換が起こる材料は、現在vitrimerと呼称されるようになってきました。Vitrimer材料は、室温では結合交換が凍結された架橋樹脂として振る舞いますが、高温では結合交換が活性化されます。高温においても、架橋結合点は消失することなく、架橋網目のトポロジーが刻々と変化していきます。そのため、高温での急激な流動はないままに、再利用性・再加工性・傷の修復・接着性などの機能が発現します。これらのユニークな機能から、熱可塑性樹脂・熱硬化性樹脂の性質を兼ね備えた新素材としての価値があります。林グループでは、様々な分子設計を基に精密な物性制御・新たな機能開拓に先駆的に挑戦しており、vitrimer材料の実用応用への展開に貢献していきます(修復性フィルム・ラミネート素材・3Dプリンタ用樹脂・形状記憶樹脂・発泡体・ファイバー・コンポジット材料などとして展開)。

高靭性樹脂の開発(樹脂の破断をコントロール)

 近年では、「将来的な石油資源の枯渇」や「環境汚染問題」に対応するべく、「割れない・ゴミにならない(=材料寿命の長い)高靭性材料」の開発が切実に求められている。また、次世代車両の開発(車両部材の樹脂化)を想定すると、安全性を保障するための車両部材の剛性・強度・靭性が問題点となると予測され、新規高靭性樹脂の先駆的な開発は不可欠です。林グループでは、ガラス樹脂やエラストマー材料に関して、応力分散成分を巧みに配置した分子設計により、これらの高靭性化設計法を構築しています。また、弾性率の粗密を局所でコントロールした新素材開発にも取り組み、樹脂材料の割れ方をコントロールするという新規概念の構築も目指しています。

ブロック共重合体ポリマーの機能開拓および基礎物性研究

 ブロック共重合体は、成分間に働く斥力に由来して、ナノスケールで自己組織化した相分離構造を形成します。その相分離構造の特性は、構成ポリマーの分子量、組成比、斥力などにより変化します。この相分離構造特性により、熱特性や力学特性などの諸物性が調節可能であるため、現在までに様々な実用材料っ開発が行われてきました。林グループでは、ATRPやRAFT重合などの精密重合法を利用し、超分子相互作用(水素結合や配位結合など)、結合交換性動的共有結合、光架橋を精密に組み込んだ新規ブロック共重合を合成しています。得られたユニークなブロック共重合体を用い、新規エラストマー材料や薄膜材料の創製を目指し、機能開発や基礎物性研究を行っています。

名古屋工業大学大学院専攻
生命・応用化学系プログラム
名古屋工業大学 生命・応用化学科

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HAYASHI Laboratory

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